アンナ・カレーニナ

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世相・生活描写・人間心理が高度に融合したリアリズムの教科書。
 
一定のパーソナリティを持っている同じ登場人物でも、場面や状況によって感情が動かされ
行動傾向や志向がコロコロ変わるという部分が素晴らしい。
首尾一貫したパーソナリティなんてものは、所詮フィクションにすぎず
かえってキャラのリアルさを失わせるということに気付かされる作品。
 
アンナのことは、最初は「なんだこのクソサゲマン」と思っていましたが
何度も読み返すうちに違った魅力が伝わってくる不思議。
あ、オブロンスキイは全編通して癒しです。
 
 
 <個人的に好きなシーン>
・リョーヴィンとオブロンスキイが牡蠣を食べるシーン(全体的に食事描写は本当においしそう)
・あらゆるものに嫌気がさして、世のクソ、自暴自棄、皆死ねksgモードになっていたリョーヴィンが
たまたまキティと目が合っただけで完全に舞い上がって世界は素晴らしいとかほざき出すところ
・ニコライが死にかけている場面で、最初はみんなが彼の悲劇に同情して手を尽すが
要介護者ニコライが中々死なないとなると、周囲の人間たちも疲れて「早く死なねーかなー」とか薄々思い出すところ
・理想の女性であるキティと念願かなって結婚し、新婚生活を始めたリョーヴィンだが
可憐な深窓の令嬢と思っていたキティが、意外に家事をテキパキこなすところ見て、やや理不尽冷めするところ
これはアンナとヴロンスキーが実際に同棲を始める前と後とで
お互いに対する認識が全く変わってしまう所にも通ずる面白さがある
同棲を始めるときは注意しようっていうトルストイからの警告ですね!